大学生のうちにとっておくと何かと良い普通自動車の運転免許。夏休みや春休みを利用して免許合宿を考えている方も多いのではないでしょうか?合宿免許は通学免許に比べて短期間で取得できるので、忙しい大学生にぴったりです。しかし、教習所やプランが数多くあり、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、大学生の免許合宿の選び方や流れ、勉強法まで徹底解説します。
合宿のすゝめ
免許取得にあたって自動車教習所に入校するとき「通学コース」と「合宿コース」のいずれかを選ぶことになりますが、筆者としては「合宿コース」をお勧めします。
主な理由としては
- 短期間(約2週間)で免許を取得できる
- 費用が通学コースに比べて安いことが多い
- 毎日学科授業と技能教習があるため復習のスパンが短く記憶が定着しやすい
- 無料送迎や延長補償、交通費支給があることが多い
といった点が挙げられます。
もちろん、2週間程度まとまった時間が用意できないような場合や家のすぐ近くに教習所がある場合等は通学コースで大学の授業やバイトの合間を縫って通学するのも全然OKだと思います。
教習所の選び方
いろんな基準で結構自由に選ぶ
選び方は基本自分が好きなように選べば良いと思いますが、それではどうしても決めかねるという方は以下の基準を参考にしてみてください。
- 教習料金
- 立地
- ツイン/トリプル部屋
- 付近で遊べる場所
- 帰りに観光できそうな場所
- 高速道路教習が実車かシミュレーターか
- 口コミが良いところ
- 近くにコンビニ・スーパーなどがある
合宿の場合は、教習所の付近にコンビニやスーパー等があると、お菓子や夜食の買い出しに大変便利なのでより充実した寮生活になります!
中大生協の斡旋も
中央大学生協ではいくつかの教習所と提携して特別な割引を実施しているところもあります。ウェブサイトの他、生協店舗付近に設置されているチラシやパンフレットを見て比較するのも良いと思います。
選んだそこは公安委員会公認の教習所?
教習所には各都道府県の公安委員会公認と非公認の2種類があります。
非公認だから免許が取れないというわけではありませんが、少し手間になることが多いです。
例えば公認教習所の場合は修了検定の学科試験を教習所内で受験することができますが、非公認の場合はわざわ各都道府県の免許センターまで受験しに行かねばなりません。また、公認教習所の場合は本免試験で技能検定が免除されますが、非公認の場合は免除されません。
その他、総合的にみて後者の場合色々と手間がかかるため、ここでは公認教習所をおすすめします。
ただ、多くの教習所は公認の指定自動車教習所なので、一度選んでから申し込む前に確認するぐらいで十分だと思います。
費用
費用は教習所によってピンキリですが、合宿プランの場合は概ね20万円台〜30万円台ぐらいが多いです。繁忙期になると高くなり、閑散期になると安くなります。また、MTコースの場合はATコースに比べて2、3万円高くなる傾向にあります。
また教習料金のほかに、修了検定や卒業検定にも受験手数料として別途数千円の支払いが発生することがあります。
AT限定とMTについて
普通自動車の免許取得コースにはAT限定とMTの2種類があり、これは運転できる車の種類に関係します。
MT車(マニュアル車)と呼ばれる車は以前主流だったタイプで、AT車(オートマ車)に比べて操作がやや難しいのが特徴です。MTコースを卒業するとMT車、AT車の両方を運転できるようになりますが、AT限定コースを卒業するとAT車しか運転することができません。
免許 | MT車 | AT車 |
MT |
◯ | ◯ |
AT限定 |
× | ◯ |
そしてどちらのコースを選ぶべきかですが、結論としては特段トラックや特殊な普通自動車を運転する予定がないのであれば、「AT限定」で良いと思います。MT車自体かなり少なくなってきている(全体の約2%以下)一方で、教習期間はAT限定より少し長くなり、教習料金も2、3万円程度高くなるため、現在MTを選ぶメリットはそれほどありません。以前はMT車の方が安かったりしましたが、現在では逆にMT車の方が高かったりします。
もちろんMT車が好きだったり、こだわりがあったりする方はMTを選んでも良いと思います。
免許取得までの流れ
ここで、予約から免許取得までの流れを時系列順でご紹介します。
ネットで予約
インターネットなどで教習所の合宿プランを予約します。ツインやトリプルの部屋がある教習所や、近くに遊べる場所がある教習所などもありますので色々検討してみると良いと思います。
夏休みや春休みなどは予約がかなり集中しますので、早めに予約をしておきましょう。
入校
自動車学校に入学し、合宿の流れや講習の受講方法等について説明を受けます。
講習(第1段階)
免許講習は第1段階と第2段階に分かれていて、第1段階受講終了後に受験する修了検定を合格すると第2段階の講習に進むことができます。
講習は学科(座学)と技能(実技)を同時並行で進めます。
- 学科授業:運転の心構えや交通法規についての内容を10回に分けて学びます。授業中に私語・スマホ・居眠りをすると退出を求められるので注意してください。
-
技能教習:初日からいきなり車に乗って教習所の場内を運転します。教習所によっては初回はカートレーナーやカーシミュレーターで教習を行う場合もあります。最初は基本的な操作と直進・右左折から学びます。
終盤では「無線教習」といって、指導員が同乗せずにコースを無線で指示して走行する回もあります。
効果測定1
効果測定は修了検定の模試のようなもので、第1段階の学科授業を全て受講し終わってから受験することになっています。効果測定の勉強をしっかりしていれば修了検定の学科試験も合格できます。効果測定に合格しないと修了検定に申し込めないので注意してください。
※効果測定は教習所によっては無い場合もあります。
修了検定(技能)
右左折、一時停止、上り坂発進、車線変更、S字、クランク等、教習所の場内コースを指示された通りに運転します。接触や脱輪、一時不停止等をすると一発アウト(検定中止)の場合もあります。
合格になった場合は修了検定の学科試験を受験することができます。
不合格になった場合は1時間以上の技能教習の補修を受けて翌日以降に再受験となりますが、1日程度の遅れであれば合宿の予定に影響が出ることはありません。
修了検定(学科)
各都道府県の公安委員会が作成した試験を受験します。試験時間は30分で択一式の問題を50問中45問以上正解で合格、44問以下の場合は不合格です。効果測定でしっかり出来ていれば余裕で通過できます。
合格になった場合は地元の警察から「仮免許証」が発行されます。
不合格になった場合は翌日以降に修了検定を再受験することとなりますが、技能試験は免除されます。
講習(第2段階)
- 学科授業:第1段階よりさらに幅広く交通法規を学びます。途中で救急救命講習があり、人命救助の方法や胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸、AEDの取り扱いについての講習が座学と実技で実施されます。
- 技能教習:第2段階に入ると技能教習は路上での教習がメインとなります。最初は時速60キロでの運転にビビってしまったり車線の右に左に寄りすぎてしまったりするかもしれませんが、うまく走れないと思ったら教官に積極的に質問してみましょう。また途中で縦列駐車や方向転換(バック駐車)も勉強します。終盤では高速教習があり、3人1組となって実際の高速道路で運転します。速度がかなり速くなるので最初の合流は一般道の感覚とは結構違うので注意が必要です。
効果測定2
効果測定2は免許センターで受験する本免試験の模試のようなもので、第2段階の学科授業を全て受講し終わってから受験することになっています。効果測定の勉強をしっかりしていれば本免試験も合格できます。効果測定に合格しないと卒業検定に申し込めないので注意してください。
※効果測定は教習所によっては無い場合もあります。
卒業検定
卒業検定は技能検定のみとなります。 公道を一定のコースで走行し、右左折、進路変更、駐停車等をこなし、その後場内に戻り方向転換か縦列駐車を行います。途中で接触や脱輪、一時不停止等がみられると検定中止となりますので気をつけましょう。
合格の場合はその日のうちに証明書が発行され、卒業となります。
不合格の場合は1時間以上の技能補習を受けて翌日以降に再受験となりますので、合宿プランの場合は延泊が確定します。
卒業
全て合格すると無事卒業となります。しかし、これで免許が発行されるわけではありません!お住まいの地域の免許センターに行って筆記試験を受験し、合格してから免許が交付されます。教習の証明書の有効期限は1年間なので、それ以内に本免試験を受験しにいきましょう。
本免学科試験
住民票にある本籍地の都道府県の免許センターで本免学科試験を受験します。効果測定2の内容を忘れないうちに早めに受けにいきましょう。
合格の場合は正式に免許証が交付されます。
不合格の場合は翌日以降に再受験となります。
合宿中の1日の過ごし方
免許合宿中の1日の過ごし方の一例を流れで紹介します。ここでは食事付き合宿プランを想定しています。
起床
特段音楽が流れることもないので自分のアラームで起床。歯磨き、洗顔等をする。
朝食
合宿寮に併設された食堂で朝食をとる。
配車確認
今日の技能教習が何限目にあるか確認する(当日発表)。
技能教習1
第1段階では場内、第2段階では路上で自動車に乗って教習。
学科教習㉑
学科教習は第1段階で項目①〜⑩、第2段階で⑪〜を行います。
昼食
朝食と同じく併設の食堂にて昼食を摂る。
学科教習⑲
学科教習⑰
技能教習2
技能教習は1日2、3コマ入る。
夕食
朝昼と同じように併設の食堂にて喫食。
ふろ
自室のシャワー或いは浴場で風呂に入る。
就寝
翌日の教習に影響が出ない範囲で就寝。
教習所によっては若干異なる場合もありますが、合宿プランだとどうしても予定が詰まりがちになります。
空いている暇な時間は自室でYoutubeを見てグダグダしたり、近隣のカラオケやボーリングに行ったりしてもOKです!
効果測定と学科試験の勉強法
効果測定は学科試験の模試のようなものなので、「効果測定の勉強=学科試験の勉強」です。
効果測定や学科試験の勉強はとにかく量をこなせば大体解けるようになります。
勉強には多くの教習所で導入されているオンラインの学習ツール(「学科教習ムサシ」など )を使うのが最も効率的です。模擬問題がいくつかついていますので、それで安定して95%以上取れるようになれば安泰です。
また、インターネット上には無料で公開されている誰でも自由に使える学習サイトがいくつかあります。筆者が実際にお世話になったサイトを以下に載せておきますので、演習量が足りないなと思ったら以下を活用してみてください!
学習できるWEBサイト
技能検定の勉強法
技能教習以外で乗車することは基本できませんから、一回一回の技能教習を大切にしましょう。特に第1段階で難所となる「S字」「クランク」や、第2段階で難所となる「方向転換」「縦列駐車」はYouTubeなどでベテラン教官による教習動画がたくさん上がっているのでそういったものを見てイメージトレーニングしておくのも良いと思います。
以下に、個人的にわかりやすくて参考になった動画を載せておきます。
S字・クランク
方向転換・縦列駐車
また、技能検定で大きく減点の対象となるのが「確認忘れ」。特に焦っていると左折時の巻き込み確認を忘れがちです。本番で忘れないためにも、自分なりにテンポを作っておくと良いかもしれません。
よくありそうな疑問
どれぐらい検定に落ちるの?
筆者と同日に入校したのは自分含めて21人でしたが、そのうち修了検定で落ちたのが8人(技能4人、学科4人)、卒業検定で落ちたのが2人でした。修了検定は1回落ちたぐらいでは合宿の日程にさほど影響がない場合も多いですが卒業検定で落ちると延泊確定です。
教習所を卒業してなくても免許を取れるって本当?
本当です。本籍地の免許センターで学科試験・技能検定をそれぞれ合格すれば運転免許は交付されます。
ただし、それで一発で合格できる人はごくわずか。もしいたとしても、私有地で個人で練習できる人ぐらいです。なので普通に自動車教習所を卒業するのが賢明かと思います。なお自動車教習所を卒業していると免許センターでの技能検定は免除されます。
パワハラ教官はいるの?
親世代や少し前のアニメ・漫画などでは教習所の教官はパワハラ気質なイメージがあるかと思いますが、現代においてそれは多くはないと思います。
筆者が利用した教習所は1960年代から続く老舗の自動車学校でしたが、そのような教官は一人も当たりませんでした。
友達はできる?
作ろうと思えば作れる、といった感じです。友達と合宿に参加するとその人とばかりつるんで出会いがないまま終わることもあります。大学生の似たような年代が集まってくるので、比較的友達は作りやすい環境です。
注意点
アメニティは要確認
教習所の合宿寮はホテルではないため、シャンプーや歯ブラシをはじめとしたアメニティグッズが設置されてないことがあります。公式HPでよく確認しておきましょう。
食事付きプラン?自炊プラン?
あまり何も見ないで申し込んでしまうと、実は食事がついてないなんてことも。合宿プランを申し込むときは食事の有無をよく確認しましょう。
ホームシックになる人も
合宿コースの場合、これまでずっと実家暮らしという方は、そんなつもりは一切なくても何日か経ってから急になんだか寂しくなったり家に帰りたくなったりすることがあります。もし合宿中にそういう状態になったら、家族や友人に電話してみると気持ちが和らぐことがあります。
仮免許証は絶対に無くさない
修了検定合格後に発行される仮免許証がないと第2段階の路上教習で街中を運転できませんので、途中で無くしたり衣類と一緒に洗濯してしまったりすると、自分で最寄りの運転免許センターまで再発行の手続きをしにいかなければならなくなり、合宿の日程に大きく影響します。
教習所のルールは絶対
教習所に入校する時に渡される校則、寮則、誓約書等に書いてあることは絶対です。
例えば合宿コースの場合、寮は女子寮と男子寮に分かれていることがほとんどですが、男子が女子寮に入ったり、女子が男子寮に入ったりした場合は発見された時点で行為の有無にかかわらず一発アウト、退校処分となることがあります。
まとめ
今回は、大学生の免許合宿の選び方や流れ、勉強法まで徹底解説しました。合宿免許は、人生の貴重な思い出にもなります。この記事を参考に、ぜひ充実した合宿免許を体験してください!